3次元cad利用技術者試験対策(2級)②3次元cadの概念ー1

資格取得対策

※このカテゴリーは、私が非常勤講師を行っている大阪工業技術専門学校の資格取得講座で行った授業を再現したものです。(動画でも説明していますが、動画のみで取得は出来ません。対策本を持っている前提での内容となります)動画では、2022年度版の本を使っていますが、最新のものを使用してください。

1.3次元CADとは

〇3次元CADの概要

2次元CADでは十分に表現できない自由曲線などの立体形状も表現することができる。

〇3次元CADのメリット

3次元CADには、設計変更や仕様変更に対する柔軟かつ迅速な対応が可能なことや、3次元モデルからの投影図作成が容易である。

2.3次元CADの活用

〇3次元CAD活用で全体最適化を実現

「PLM(Product LifeCycle Management)」に基づいたものである。

PLM とは、製品のライフサイクルで発生する各種情報を包括的に管理する手法のこと

〇コンカレント・エンジニアリング

コンカレント・エンジニアリングとは、製品要求の多様化に柔軟に対処するための製品開発方式の名称で、下流情報をできるだけ上流で処理する工夫によって、製品開発を従来のような逐次処理ではなく同時並行的(コンカレント)に行うことである。

〇コンカレント・エンジニアリングで製品開発期間を短縮

BPR(Business Process Re‐engineering) のようなビジネスプロセスの視点での根本的な変革

コンカレント・エンジニアリングでは、製品開発においてシリアルに配置されていた複数の工程を同時並行的に行う。その結果、業務効率の改善や設計品質の向上が実現し、製品開発期間全体の短縮が期待できる。

コンカレント・エンジニアリングを実現するために、組み付け性評価のように従来は後工程に含まれた処理を前工程で実施するフロントローディング。

いずれの手法においても、情報の共有が鍵である。各部門間で3次元CADデータを共有することにより、デザインと解析。

評価を同時並行で行うことや、設計途中から金型の大枠を注文するといった製造準備、マーケティングのための製品プロモーション用の動画作成などが可能になる。

3.3次元CADの歴史

〇ソフトウェアの変遷

ミッドレンジ系CADが登場し、ハイエンド系に比べて機能は劣るものの価格がハイエンド系CADほど高額ではなかった。

ハイエンド系CADは機能が豊富で、基本のモデリング機能以外にも特定製品向けのモデリング機能や、解析機能、データ管理に関する機能など、さまざまなオプション機能を備えている。また、誕生当初はハイエンドに比べて低機能のイメージがあったミッドレンジ系CADだが、近年はハイエンド並みに機能を充実させた製品もある。さらに、有償のものに比べて使用できる機能は限定的であるが、無償の3次元CADも存在する。

4.3次元モデルのデータ構造

〇サーフエス

サーフェスモデルでは、3次元の形状を面の集合として表現し、形状内部の情報は扱わない。

面の情報をもつことにより、隠線消去、相貫線表示、表面積やNCツールパスの計算などができる。また、曲面間の交線を作成し、干渉チェック時の判断材料として利用することも可能

〇ソリッド

ボクセル:物体を微小立方体の集合として表現する。

オクトリー:空間を縦・横・高さについて8分割しながら、それぞれの領域に立体が完全に含まれるか、まったく含まれないかのどちらかの状態になるまで、その領域の分割を再帰的に行っていく。

〇CSG

CSGでは、基本形状を組み合わせて表現できる形状しか表現できないので、複雑な形状を表現するためには、いろいろな基本立体を用意しておく必要がある。

CSGは、データ構造が単純でデータ量が少ない、形状の変更が容易などのメリットをもつ反面、3次元ウインドウ上での表示速度が遅い、曲面の表現や局所的な変形が困難などのデメリットがある。

〇B-reps

立体を構成している境界面(面のどちらに実体が含まれているかの情報をもつ)で表現する方法

B‐repsは、CSGに比べて構造が複雑でデータ量は大きくなるが、自由曲面部の表現や局所変形が容易であるという特徴をもつ。

モデルの作成にあたって、誤って現実には成り立たない形状を作成できる

〇ソリッドモデリングカーネル

3次元CADの核となる部分で、3次元形状のモデリングに必要な機能を提供するライブラリーの一種

「ハイエンド3次元CAD」と呼ばれる高機能・高価格の3次元CADでは、自社製のカーネルを使用しているものもあるが、ハイエンド3次元CADの一部およびミッドレンジ3次元CADでは、「Parasolid」か「ACIS」のどちらかを使用している

〇Bezier(ベジエ)曲線・曲面、有理Bezier曲線・曲面

Bezier曲線は、「制御点」と呼ばれる複数の点に基づいて定義される多項式前線で、代表的なパラメトリック曲線の1つである

〇B-スプライン曲線・曲面、NURBS

B-スプライン曲線は、Bczier曲線を1セグメントとした複数セグメントの集合体である。セグメントは、「ノット」と呼ばれるパラメータ値で分割される

非一様なB-スプラインを各制御点に重みを付加することにより有理化したものを、NURBS (非一様有理B-スプライン)という

Bezier曲線よりも複数の曲線間の連続性に優れている。

〇グレゴリ曲面

Bezicr曲面やB‐スプライン曲面の接続の問題点を解決するために考案されたものである。

※動画ではちょっとした解説と確認テストがあります。

【くろたかの機械設計講座】 cad利用技術者試験(2級)資格講座② 3次元cadの概念ー1
【くろたかの機械設計講座】cad利用技術者試験(2級)資格講座② 3次元cadの概念ー1#機械設計 #cad利用技術者試験 #3DCAD #2級

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