※このカテゴリーは、私が非常勤講師を行っている大阪工業技術専門学校の資格取得講座で行った授業を再現したものです。(動画でも説明していますが、動画のみで取得は出来ません。対策本を持っている前提での内容となります)動画では、2022年度版の本を使っていますが、最新のものを使用してください。
6.モデリング手法
〇パラメトリックモデリング
パラメトリックモデリングとは、寸法をはじめとしたさまざまな拘束条件によって形状を成立させるモデリング手法で、多くの3次元CADで採用されている。「プロファイル」と呼ばれる断面形状を作成し、それに「フィーチャ」を適用して立体化するというのが基本的な作成の流れ。
パラメトリックモデリングを採用しているCADでは、通常プロファイルやフィーチャを定義するための寸法であるパラメータの情報は、フィーチャの作成手順と共に「履歴」として変更可能な状態で保存される
大きさや位置を変更する場合、パラメトリック変形を行うことで、設計変更工数を大幅に削減できることがある。
〇プロファイルへの拘束定義
定義された拘束条件には、大きく分けて「幾何拘束」と「寸法拘束」とがあり、これらとこの定義作業を総称して拘束定義と呼ぶ。
拘束定義の際、すでに定義されている拘束条件(3次元CADが自動的に付加した幾何拘束や寸法拘束など)と矛盾が生じる場合は、その矛盾する拘束定義を取り除き、必要に応じて改めて拘束定義を行う。
定義した拘束が不足していないか、矛盾がないかを確認することを拘束評価という
〇ダイレクトモデリング
ソリッドモデルの面や稜線を直接(ダイレクトに)押したり引いたりして形状を作成していく手法。
直感的で分かりやすい」、「局所変形が可能であり、また、その範囲を大きくとることもできる」、「パラメトリックモデリングに比べ、パラメータの制御を考慮する必要がないため、形状作成の自由度が高い」
〇パラメトリックモデリングとダイレクトモデリングの融合
最近は、基本のパラメトリックモデリング機能にダイレクトモデリングの機能、もしくはダイレクトモデリングに類似した機能を追加するCADも出てきている。
〇抑止
一時的にフィーチャが無い状態に変更する機能
7.アセンブリモデリング
アセンブリとは、一般的に、2つ以上の部品を何らかの方法で一体にする作業のこと
〇アセンブリの必要性
アセンブリは、パーツおよびサブアセンブリで構成されている。配置したパーツやサブアセンブリは、アセンブリ内で編集することが可能なため、ほかの部品を立体的に参照しながら部品を設計することができる。アセンブリを構成しているパーツやサブアセンブリの情報は階層構造で表現。
構成要素の数が多い場合は、表示に必要なデータのみを読み込むことで動作を速くすることができる。
アセンブリでは、部品間の干渉チェックや組立モデルの質量計算などを行うことができる。
アセンブリは、パーツやサブアセンブリをコピーして複数個含むことができ、これらのコピーは、アセンブリ内の異なる階層に置くこともできる。
〇トップダウン方式
初めに部品が組み上がった状態を設計して、部分を切り分けながら、それぞれ階層を定義し、詳細を設計していく方式。
〇ボトムアップ方式
既存のモデルや設計中のモデルを使って、下位のアセンブリから組み立てていく方式
8.実用上の注意点
〇トレランス(モデリング精度)
CADの内部処理に関する用語で、図形要素(点や線)の座標値の計算精度を表す。
3次元CADでは、さまざまな形状を表現するための曲線や曲面の数学的表現をコンピュータで計算できるように近似計算している
〇トポロジー
3次元CADにおけるトポロジーとは、形状を構成する頂点や稜線、面などの形状要素と相互の結合関係
〇中間ファイルフォーマット
IGES:2次元図面データから3次元CADデータやアセンブリデータまで扱うことが可能
3次元CADの種類によって対応している項目に差が生じる
STEP:ISO(国際標準化機構)がISO10303として標準化を進めているデータフォーマット
業務ごとにデータ交換の規定をアプリケーションプロトコル(AP) として定め、このアプリケーションプロトコルを通じてデータ交換を行うようになっている
〇3次元CADのカーネル
3次元ソリッドモデリングカーネル(通称「カーネル」)とは、3次元CADの核となる部分で、3次元形状の生成、変更、削除、演算などを行う部分である。このカーネルは、3 次元CADによって、自社製のカーネルをもつものと、汎用的なカーネルを用いているものがあり、Parasolid、ACISは汎用的なカーネルの代表例。
〇ネイティブデータのダイレクト変換
3次元CADにはそれぞれ独自のデータフォーマット(ネイティブデータ)があり、そのネイティブデータ同士を直接変換するのがダイレクト変換。
ダイレクト変換では、それぞれ送り手と受け手の3 次元CADの種類が特定できるため、それぞれの許容誤差や面の構成などが明確に分かり、それらの補正を行ったほぼ確実なデータ変換が可能になる。
3次元形状だけではなく、注記などの属性情報の変換も行うことができる。ただし、3次元CADの仕様の違いによって、対応付けのできない属性情報や、元のデータの品質が極端に悪い場合などは、ダイレクト変換によっても変換できないことがある。一般的に3次元CADのデータ変換では、フィーチャツリーを変換することはできないが、ダイレクト変換ではフィーチャツリーの変換も実現し始めている。
〇3次元CADのカーネル
3次元ソリッドモデリングカーネル(通称「カーネル」)とは、3次元CADの核となる部分で、3次元形状の生成、変更、削除、演算などを行う部分である。このカーネルは、3 次元CADによって、自社製のカーネルをもつものと、汎用的なカーネルを用いているものがあり、Parasolid、ACISは汎用的なカーネルの代表例。
〇ネイティブデータのダイレクト変換
3次元CADにはそれぞれ独自のデータフォーマット(ネイティブデータ)があり、そのネイティブデータ同士を直接変換するのがダイレクト変換。
ダイレクト変換では、それぞれ送り手と受け手の3 次元CADの種類が特定できるため、それぞれの許容誤差や面の構成などが明確に分かり、それらの補正を行ったほぼ確実なデータ変換が可能になる。
3次元形状だけではなく、注記などの属性情報の変換も行うことができる。ただし、3次元CADの仕様の違いによって、対応付けのできない属性情報や、元のデータの品質が極端に悪い場合などは、ダイレクト変換によっても変換できないことがある。一般的に3次元CADのデータ変換では、フィーチャツリーを変換することはできないが、ダイレクト変換ではフィーチャツリーの変換も実現し始めている。
〇特定の分野のソフトウェアにデータを渡すためのフォーマット
3次元CADデータをCAE、CAMなどのシステムに渡すために、3 次元CAD同士のデータ交換と同様に、IGESやSTEPの中間ファイルフォーマットやカーネルのフォーマットを用いる場合がある。また、「STL」、「VRML」、「XVL」、「JT」といった、ある特定の分野に適したデータフォーマットを使うことも多い。
STL:STL(Standard Triangulated Language)は、3次元形状を小さな面の集まりで表現するポリゴンデータの一種。現在では、3Dプリンター用のフォーマットとしても広く利用されている
AMF:AMF(Additive Manufaeturing File Format) は、STLと同じくポリゴンデータの一種。
STLでは持つことができない色、材料、テクスチャなどさまざまな情報を持ちながら、かつファイルサイズを小さくすることができる。
VRML:VRML(VirtuaI Reality Modeling Language) は、3 次元データをWebブラウザ上で表示するために考えられたデータフォーマットで、STLと同じく、ポリゴンデータの一種
XVL:XVL(eXtensible Virtual world description Language) は、ラティス構造をベースとした形状表現によって、3次元データを高い精度を維持したまま軽量化するデータフォーマットである
JT:PLMの分野で広く利用されている軽量3次元データフォーマット
〇PDQ
PDQ(Product Data Quality)」とは、その名のとおり3次元CADデータの品質を意味する
PDQの品質基準としては、国内では日本自動車工業会、世界的にはSASIGがガイドラインを発行し、維持更新している。
〇図形に関する品質
モデリング時に問題となる形状を作らないよう注意することで避けられるものもあるが、中にはCADによる形状表現の方法やトレランスの違いから、避けられない問題もある
※動画ではちょっとした解説と確認テストがあります。
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