※このカテゴリーは、私が非常勤講師を行っている大阪工業技術専門学校の資格取得講座で行った授業を再現したものです。(動画でも説明していますが、動画のみで取得は出来ません。対策本を持っている前提での内容となります)動画では、2022年度版の本を使っていますが、最新のものを使用してください。
5.3Dプリンター
〇3Dプリンターとは
積層造形とは、粉体、樹脂、板、紙などの材料を薄い膜状に積層して製造する技術
RPとは、試作品(Prototype)を高速に(Rapid)製造する技術を指す。最初の積層造形装置で光造形法が実用化され、当時の製造業において主に試作品の作成手段として使われていた。
AMは、切削加工のように材料を除去して製造する加工方法に対し、材料を付加(Add)して製造する加工(Manufacture)方法
〇試作と3Dプリンター:模型を作成する際、NC工作機械を使って樹脂などの材料を切削加工して対象物を作成する切削加工RPが主流
〇3Dプリンターによる造形手順:3次元CADで作成されたデータをSTLデータに変換する
積層ピッチを小さくすると高精度に造形でき、積層ピッチを大きくすると短時間で造形できる
〇 3Dプリンターの代表的な活用例:機能評価:製品と同等の物性を持つ材料を使用した試作品で強度の検討も可能
試作品を数個程度作成する必要がある場合などに、3Dプリンターにより作成したモデルをマスターモデルとしてシリコンなどで複数の母型を作成
3Dプリンターで材料に金属粉末を使用し、試作用あるいは少量生産用の金型を製作
生産量が少ない場合は、高価な金型を製作するよりも、3Dプリンターで最終製品を製造したほうがコストを削減できる場合がある
6.DMU(デジタルモックアップ)
DMU(デジタルモックアップ)とは、コンピュータ内に作成されたモックアップ(工業製品の設計段階で製作される実物の模型)のことである。DMUツールとは、製品の外観などの比較検討時に、実際の模型を作成せずにDMUを使用してシミュレーションを行うシステムのこと。
〇DMUツールのメリット:CADのネイティブデータではなく、軽量化したデータフォーマットを用いて3次元CADデータの活用を図るツール
〇DMUツールで使用するデータフォーマット:DMUを表現するデータ形式としては、3次元CADデータを曲面形式のまま軽量化するXVL、JT、ポリゴン化することで軽量化するVRML、STなどがあげられる。
DMUツールを使うことで、形状情報以外の情報を排除するなど、情報を絞り込み軽量化したデータでやり取りを行うことは、さまざまなノウハウの流出を防止する
〇DMUツールの主な機能:干渉チェック機能:アニメーション表示による動的干渉チェックを行うことができる視認性シュミレーション:仮想空間.上に作成された人間モデルに製品を扱う動作を実行させることで、ユーザーによる製品の使用状況を再現し、操作するスイッチなどの機器類が手の届く位置に配置されているか、ユーザーが見やすい位置に配置されているかなどを、試作に入る前に把握することができる。
〇デザインレビュー:デザインレビューは、開発プロセスにおける定められた段階で、必要な専門知識を持った関係者を集めて行う設計審査会
7.コラボレーション
コラボレーションとは、関係者が情報共有や意思伝達をしながら協調して作業を進めることで、より低コスト、高品質の開発を実現することである。
〇コラボレーションツールのメリット
3次元モデルを同じアングルで見ながら形状を確認し、コメント機能などで対象部位や形状を具体的に示しながら話をすることができる
〇コラボレーションツールの特徴
コラボレーションツールの大きな特徴は、CADデータやその他の関連データ(PDFや画像ファイル等)の関係者間での共有機能と内臓ビューワによる共有データの表示とレビュー機能
形状や付加された情報を見て評価することが主な目的であることから、3次元CADに比べて習得すべき操作が少なく、設計者やCADオペレータでなくとも直接3次元データを見ることができる
8.3次元CADデータの応用例
〇VR
VRとは、主にコンピュータ技術を用いて人工的な環境を作り出し、人間の視覚や聴覚を刺激することであたかも現実かのように疑似体験させる技術。
MRとは、Mixed Realityの略で、3次元モデルデータと現実世界の情報を融合させる技術
※動画ではちょっとした解説と確認テストがあります。
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